住宅ローンは「変動金利」が良いか「固定金利」が良いか。
これは住宅購入を検討している人が永遠に議論される内容になっていますが、答えはありません。
というのも、どちらも正しく、購入する時の金利状況や世帯資産によって変わるからです。
私はまもなくローン契約を結びますが、「変動金利」にすることにしました。
複数の銀行から再三話を聞き、住宅購入した人にも聞き、ネットで調べに調べ尽くした結論が変動金利一本です。
そう決断した理由を備忘録もかねて残しておきたいと思います。
超低金利時代と言われる今
出典:http://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
まずは、超低金利時代と言われている今、どれくらい凄いのか。
各銀行の優遇金利が適用される前の基準金利の水位です。
なんと平成7年頃から20年以上も大きな変動を見せていません。ここ約10年においてはビクともしていない状況です。
金利がそろそろ上がるかも?と言われながら一向に上がっていない状況です。
さらにこちらのグラフをご覧ください。
出典:http://www.fp-myhome.co.jp/application/feature30
先ほどの基準金利から銀行が個別に金利優遇をしているのですが、ずっと右肩上がりです。
基準金利が変わっていないのに金利優遇幅はどんどん拡大しているのです。
仮に基準金利が2.475%、金利優遇-1.88%であれば、2.475-1.880=0.595%ということになります。
これは本当に凄いことで、ここ10年で1.8%近く優遇幅がアップしてますが、仮に4,000万円のマンションを購入したとしたら、年間の利息の差額は4,000万円×1.8%=72万円
つまり一年間だけでも72万円の差があるのです。
これが、5年、10年と続いて、残高が減っていくにしても数百万円くらいになる凄い金額差です。
マンション価格は上がっていると言われてますが、金利対策が充実しているので、
数年前に安いマンションを買った人より今高いマンションを買った人の方がトータルで考えると返済額が逆転する可能性もあります。
「通期引き下げ」or「当初引き下げ」
ここからは私が契約しようとしている「SBIネット銀行」の数値を例に、変動と固定の違いを解説していきます。
こちらが2017年11月現在の数値となります。
まず、「通期引き下げ」と「当初引き下げ」とあります。これは金利優遇措置を契約ローン期間の全期間適用するか、当初期間のみ優遇幅を増やすかの2択ということです。
もう少し噛み砕いて説明すると、例えば35年ローンで最初の10年を固定金利10年で組むとします。
すると、「当初10年はいっぱい引き下げて0.72%まで優遇するよ」ということです。
つまり、固定金利10年契約にして通期引き下げでわざわざ最初にさらに高い金利(ここでいうと1.12%)を払う意味がわかりません。
反対に変動金利で当初引き下げプランを選択する意味がわかりません。
変動金利は安い時に払うから良いのであって今の低金利時代なら「通期引き下げプラン」一択です。
したがって、
変動金利=通期引き下げプラン
固定金利=当初引き下げプラン
という前提条件ができます。
固定金利の場合
さて、ここからは具体的にどのプランが良いのか検証します。
まずは固定金利の場合。
金利変動が激しかった時代を過ごしたお父さん、お母さんは「絶対固定金利!」という固定信者が多くいるようです。
固定金利、その名の通り「基準金利が上がった時に影響を受けずに守られる」「返済計画が立てやすい」ということがメリットに挙げられますが、返済額を冷静に見てみると高過ぎます。
まずは35年固定ローンで組むという場合、35年で1.32%
変動金利との差は実に0.8%近くあります。
ここ20年ほとんど変わっていない金利がここから0.8%も短期間にアップすることがありえるでしょうか?
ということが判断基準になってきます。
そう考えると、長期固定プランを選択する人はほとんどいないという状況になっています。
ちょうど良い頃合いで人気なのが固定10年プランです。
固定10年の当初引き下げで0.72%です。変動の0.477%より高いですが、金利が劇的に上がった際のリスク回避になります。
ただ、
注意しないといけないのが、赤の点線で囲った「特約期間終了後」です。
これは「10年間は金利を優遇するけど、その後は条件が変わるよ」というものです。
それが、それぞれの基準金利から年-0.70%と表記があるものです。
例えば、今の基準金利のままだと仮定して、固定10年後に、、、
変動金利に切り替えた場合=基準金利2.775%-優遇金利0.70%=適用金利2.075%
固定金利10年を継続した場合=基準金利2.42%-優遇金利0.70%=適用金利1.72%
となるのです。
この先10年間の急な金利アップに対応する代わりに10年後にとんでもなく高い金利が待っているのです。
これを知らずに「固定10年でとりあえず安心ね」なんて契約をしてしまったらローン地獄が待っています。
そう考えると、
固定10年を選択できる人は、10年間で大半を返済できる目処があり、かつ直近の急な金利アップリスクに対応したい人だけ
なのです。
なので、頭金が10%も入れることができない状況や、10年後に目立った資産目処がない、いわゆる「普通の家庭」が、今の時代固定金利を選択するのはリスクしかないと思っています。
変動金利の場合
次に変動金利の場合です。
変動金利は文字通り金利が上がれば利息が増えるリスクがあります。
ただ、政府もバカじゃないので急に上がり過ぎて返済困難者が急増すると国は混乱しますし、そういう時の為に5年毎の返済額見直しのタイミングでの上限を125%と決めています。
ですので、爆発的に返済が増えるということはありません。
また、変動金利で通期引き下げプランを選択すると、契約時の引き下げ幅が全期間一定なのです。
これがとても重要です。
例えば、先ほどの固定10年は当初金利が0.72%です。一方、変動は0.477%です。
その差は0.243%です。
これは契約時の引き下げ幅が一定なので基準金利が上がらない限りその差は生まれません。
ここ10年ビクともしない基準金利がこの10年で0.243%も上がるでしょうか?
徐々に上がりそうなったとしても、10年経過した時の利息合計は変動金利の方が少ないことになります。
これだけでも変動金利の方が良いのですが、固定10年後の継続固定10年にした時の1.72%との差は1.243%です。
そうなると基準金利で4%近い数値になり、バブル期の高金利状態ということになります。
そんなことは無いとは言い切れませんが、ここ十数年の動きと景気対策を考えると限りなく低いと考えます。
まとめ
以上、固定金利と変動金利の違いについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
<固定金利を選択すべき人>
当初引き下げ優遇期間中に、大半の返済目処がある資産に余裕のある家庭。
→優遇期間後の高金利は残債が多ければローン地獄。
<変動金利を選択すべき人>
頭金や短期間に返済する目処がなく、30年や35年返済を前提に考えている人。
→バブル期並みの高金利になればリスクがあるが、今の情勢を考えると可能性は低い。
ということで、私は変動金利で35年契約をしようと思っています。
ただ、35年間で払い終えるつもりはなく、適宜繰り上げ返済をして、できる限りこの低金利時代に元金を返済していきたいと考えています。
そのことが変動金利でありながら、高金利時代になってしまった時のリスクを減らすことになります。
さて、この記事をご覧の頂いた皆さんの家庭事情はいかがでしょうか。
少なくとも2018年に融資を実行する一般家庭なら変動金利一択ではないでしょうか。
ちなみに、私が決めたSBIネット銀行に決めた理由は、
・金利が他行より安い
・8大疾病や傷害保険料が0円(他行なら金利上乗せの場合が多い)
・交通事故や個人賠償の保険料も0円(他行なら金利上乗せの場合が多い)
・返済口座への資金移動が無料
・繰り上げ返済が何度でも手数料無料
などなど、どう考えても一番良かったです。
唯一ハードルとしては、メリットが多い分審査は厳しいそうです。
借入が多かったり、高年齢の人は審査が通らない可能性があります。
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