photo by http://www.ssp.co.jp/stac/
CMのメッセージを誤解しています。
そう回答したのは「エスタックイブ」を製造しているエスエス製薬。
「風邪でも絶対に休めないあなたへ」
このコピーを街中で見かけた人は多いだろう。
私もその一人でちょうど最近風邪でマスクをしていた時に電車ステッカー広告でそれを見た。
その時思ったのは、日本だからこそ成り立つ広告だなって。
風邪の時くらい休ませてよって思いました。
「ブラックを連想させる」とCM批判が殺到
電通の過労自殺の一連の流れを見ていた直後だったので、なんだか悲しい気分になりました。
まさに鬼十則の「殺されても仕事を手放すな」といったブラックを連想した人も多いでしょう。
これは外国じゃありえません。
健康が一番。体調を崩したら休むのは権利です。
それを日本の会社は
・体調管理がなってない
・他の人に迷惑がかかる。
・休みにくい雰囲気。
といった声が聞こえてきます。
みんなどう思ってるんだろうとネット検索してみたら、やはり批判殺到だったんだね。
小説家の似鳥鶏さんのツイッターがきっかけだったみたい。
「申し訳ありませんがエスタックイブの「風邪でも、絶対に休めないあなたへ。」っていうコピーほんとやめてください。
風邪薬で一時的に症状を抑えてもウィルスは周囲にバラ撒いてます。風邪をひいた人は休むべきなのです。病気を流行らせ周囲に迷惑をかける行為をCMで勧めないでください」出典:http://www.j-cast.com/2016/11/07282784.html?p=all
ここからネット拡散していき、
「日本の会社は休めない雰囲気」
「死ぬまで働くのが日本の会社」
という働き方の議論が広がっていきました。
そんな中、JCASTニュースがエスエス製薬に取材をしたとのことで記事が上がっていた。
エスエス製薬の回答は「CMのメッセージを誤解しています」
こういった一連の批判をふまえてエスエス製薬に取材したところ、回答はこうだ。
「仕事をしている人限定のメッセージだと受け取る方もいるようですが、私たちの思いとしては誰でも外せない日はあると思います。そんな日に風邪をひいてしまった時のために 『OTC医薬品をお役立て頂きたい』です、というメッセージなんです」
出典:http://www.j-cast.com/2016/11/07282784.html?p=all
むしろ誤解されていることに困惑しているとのこと。
これにはビックリですね。
狙いはわかりましたし、戦略としては素晴らしいと思いますが、本当にこのままで良いのでしょうか?
まず、これを見て不快に思った人が大勢いる中で、お詫びどころか誤解ですという回答。
結局そのまま今もなお同じコピーで広告展開を続いています。
広告は消費者がどう受け取るかがすべて
広告ってそんなものなのでしょうか?
コピーは見た人それぞれに照らし合わせていろんな解釈をされることで、様々な感動や励ましを生むことがあります。
それは広告の素晴らしいところであって、それには共通する「こういう感情を持って欲しい」という制作者(=広告主)の明確な意図があります。
それが、今回はどうでしょうか?
「仕事以外も含めて外せない日にOTC医薬品をお役立て頂きたい」という制作者(=広告主)が誤解されている時点で広告としては崩壊しているのではないでしょうか。
特にそれが消費者に不快な思いをさせているのですから。
今回、自分がこの広告を見て不快に思い、そう思っている人がたくさんいることも分かった上でまだ同じコピーを続けていることに少しショックを受けました。
高橋まつりさんのお母さんが見たらどう思うでしょうか?
制作者の意図は分かったけど、消費者がどう受け取るかがすべてではないでしょうか。